もっと遠くへ

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命を食らう

  今年は6月が気温低めで雨が多かったせいか畑のトマトの出来は今ひとつ。それでもこの時期は収穫最盛期で、週に2〜3回、朝採りのトマトが食卓に山盛りで置かれる。

これは今朝の収穫。

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10分程前にもぎ取ったばかりのトマトには、生気とも言える温もりがあり、単に冷えてないというのとは明らかに違う。このトマトをブドウを食べるかの如く夢中になって食らう。

 甘いとか栄養があるとかそんな単純な事ではなく「命を食らう」と強く感じる。

何かを考えたり伝えたりするのに言葉は無くてはならないものだけど、言葉の外に切り捨てられるものの中にこそ、物事の本質が隠れていたりするものだ。

世の中は空前の健康ブームで、僕の大好きなランニングの世界でも、パレオダイエット、低炭水化物食、ヴィーガンなど様々な言葉が飛び交ってる。

言葉にした途端、あれは良いけどあれはダメみたいな切り捨てが始まる。

つまり、頭で考えるとは、断片を切り取って単純化するということなのだろう。それはそれで複雑な現実を生き抜く為に人間が獲得した大切な能力なんだろうと思う。

しかし、時には、頭で意味を理解しようとせず、今朝食べたトマトのように、その複雑な現実の“生”をそのままに感じとって腹に入れることが、人間の“生”を取り戻すために必要なんじゃないだろうか。