内側から外側へ
トレイルを守るということ
イベントリーダーのタルさんが関わる地元四国の“どんぐりトレランチーム”からお借りした物です。自分も家庭菜園で使ってるクワを持参しましたが、お借りしたクワは細身だけど肉厚でずっしり重く、畑用とは別物でした。山の斜面は畑と違って石ころもたくさん埋まってたので、畑用じゃ文字通り刃が立たなかったと思う。借りて正解でした。
チャレンジ富士五湖118K奮闘記
4月24日にチャレンジ富士五湖118K完走しました。ロードのウルトラは2年前の野辺山100K以来。その野辺山は制限時間24分オーバーでDNF(フィニッシュゲートは通過できたけど・・・)。実はトレランでは100kmオーバーを完走してるけどロードは完走したことがない。その点で今回は新たなチャレンジだ。硬い路面を走るロードのウルトラマラソンは、同じ距離のトレイルランよりも制限時間が短く、別の厳しさがある。いつだって何が起こるかわからないウルトラの世界。走るのに自信なんて要らない。必要なのはゴールを目指して前へ進み続ける強い意志だけだ。
Pain is inevitable. Suffering is optional.
南八ヶ岳親子縦走
瑞牆山、穂高岳縦走に続く3回目の親子本格登山です。いい季節なので紅葉の綺麗な山に行こうと情報収集したけど、穂高岳で岩山に魅せられた息子に合わせ南八ヶ岳に決定。一泊二日テント泊で。なんと息子はテント泊初体験。それもいきなり標高2300mのテント場で。自分も2000m超えのテント泊は初めて。まぁいざとなれば小屋へ逃げ込めばいいし。と軽い気持ちで・・・しかし。
午前中の雨は止んだけど曇り空。ガスっていてかなり肌寒い。沢伝いにテント場のある行者小屋を目指します。コースタイム2時間なので余裕です。苔むした森に生命の息吹きを感じつつのんびりと登ります。
夕飯は無印良品のビーフカレー(レトルト)です。息子にとっては初テントでの初夕食。旨い! 中学生らしく食らいつきます。狭いテント内での質素な夕飯だけどこの非日常感がたまらない。
このCiel Bleuのテーブルはすごく軽くて硬い木で作られていて組み立ても簡単。コンパクトに持ち運べるのでとても気に入ってます。ちょっとした事だけどキャンプ生活が快適でリッチになる。少しくらい荷が重くなっても山へ持って行きたいアイテムの一つです。
草っ葉の凍りついた夜露が太陽の光に照らされ銀色に輝いてとても幻想的。
子育てとは人生を二度生きること〜穂高岳親子登山編
息子の耕平を穂高岳へ連れて行く時が来た。自分の身一つなら明日からだって山へ行けるけど、息子にとっての初めて3000m級の登山が良き経験となるよう、いつもより念入りに準備をしたつもりだ。
荷物の重さは適当だろうか?
何を食べ、何を飲むか?
寒い時、暑い時、着替えをどうするか?
逝ってしまった親父はどんなことを考えたんだろう。
相変わらず耕平は調子が悪い。それでも自分の足で前に進むしかない。それが一つの学びとなる事を親として願う。親父もそんな風に思ってたのだろうか。
険しい道が続く。
そしてついに奥穂高岳山頂へ辿り着いた。(13:30)
恐怖を味わいつつ無事に山荘到着。(14:40)
人を拒絶するかのような岩場に、逞しく花を咲かせる高山植物に心が和む。
さて、ここまで無事にワラーチで辿り着いたわけだが、途中、たくさんの人に「サンダルで凄い」「怪我しませんか?」「修行ですか?」と声を掛けられた。トレランレースだとちゃんと「ワラーチ」と呼んでくれる人が増えてるのだが、登山の世界ではまだまだ認知度が低いようだ。実際のところ、これほど険しい岩場でワラーチってどうなのかと言うと、けっこうイケる。足指が自由に動くしソールも柔らかいので、岩盤をよじ登ったり降りたりする時に岩肌の凹凸を掴みやすいのだ。ゴツい登山靴だと微妙な凹凸は感じ取れないだろう。足を守るために足の機能を殺すことが本当に安全なのかと疑問に思う。岩角に足をぶつけて切ったりしないか心配にもなる。しかし、慎重に足を運んでいる限り、仮にぶつけても切れるなんてことにはならない。そもそも自然の岩角はいくら尖っていても刃物のように鋭利ではない。人工物の方がよほど危険。さらに突き詰めると裸足が最も安全なのかもしれない。もちろんシューズに飼い慣らされて眠ってしまっている足本来の機能を目覚めさせた上での話だが。
分岐点へ戻ると耕平は、おあつらえ向きの岩盤の上で絶景に囲まれて堂々と昼寝してる。すっかり山男になったようでちょっと嬉しい。
あっという間に横尾到着。(14:15)
ここから上高地まで梓川沿いに心地良いフラットな林道が11km続きます。
上高地へ向かって、歩いたり走ったりしながら黙々と進みます。
牧歌的な徳沢園キャンプ場を過ぎ、
明神館まで来ると上高地はもうすぐだ。
そしてついに上高地へ無事帰還。(16:20)
よく頑張った!
お父さんも頑張った!
登山とは無縁な観光客で賑わう河童橋から、遠く穂高岳を眺め、優越感と達成感に少しばかり酔う。それも上高地の魅力。
また来よう。
こんどはどの山に登ろうか。
【登山を終えて】
耕平がまた山に登るのかどうかは分からない。父から子へ何かを伝えられたのだろうか? 言葉で説明できない何か。もしかしたらある時、フッと身体の奥底から湧いてきて山へと突き動かされるかもしれない。自分は今は亡き父からそんな何かを受け取って、大人になった今もこうして同じ山に登ってるのだから。
(おわり)