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もっと遠くへ

山が好き。走るのが好き。さぁ、果てしない旅に出よう!

The OMM japan 2016 〜信濃の里山に遊ぶ

 

Orginal Mountain Marathon、略してOMM。

 48歳で始めたランニング。ロードに始まってトレランへ。距離も10kmがハーフになりフルになり、ウルトラへ。僕のランニングワールドもどんどん拡張してきたわけだけど、このOMMは新たな領域と言えるだろう。

OMMについての詳細はホームページを見ていただくとしよう。

OMM JAPAN 2016_INTRODUCTION | OMM / Original Mountain Marathon オリジナルマウンテンマラソン Japanオフィシャルサイト

 簡単に説明すると、ストレートとスコアの2種目あり、それぞれロングとショートで計4種目。ストレートは決められたコントロール(チェックポイント)を順に辿り、時間を競うレース。スコアは、制限時間内に、できる限り多くのコントロール(難易度に合わせて点数がついてる)を辿り、その合計得点を競うレース。後者はオリエンテーリングに近い。いずれも2人1組でDAY1、DAY2の2日間、テント泊でレースにのぞむ。その間、エイドステーションはなく、テント、シュラフ、食料、調理器具などを全て担いで移動する。1人がだいたい10kgくらいになる。トレランよりも荷が重い。

 これがコントロール。腕につけたSIチップを、コントロールに固定されたSIステーションに突っ込むとその時の時刻が記録される。フィニッシュ地点でこの記録を読み出せば、どのコントロールを何時何分に到達したかがわかるというシステム。

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 Mountainというだけあってレースは山がフィールドだ。山というのは普通は道を歩くもんだが、OMMではほとんどのコントロールが道沿いではなく、道の無い山頂や谷底にあるので、地図とコンパスを頼りに道無き道を突き進んでコントロールを見つけ出す。

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※〇の中心がコントロールの位置、括弧の数字が点数。難易度が高いほど点数が高くなっている。

 

 アルプスの様な高山ではなく、山あり谷あり林道あり、複雑な地形をした里山を丸ごとフィールド(遊び場)にした実にダイナミックなレースなのだ。

 

【DAY0】(11月11日)

 スタートが朝早いので前日会社を休んでパートナーの新川さんの車で会場となる鹿島槍スポーツビレッジへ向かう。午前中関東で降っていた雨も諏訪湖に着く頃には上がって青空に。

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さらに北上し、安曇野を抜け、信濃大町を過ぎ、ようやく会場へ到着する。

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目の前に北アルプスが聳える絶好のロケーション。

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受付はトレラン大会と違ってお洒落な雰囲気。その後、寝床へ。

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昔懐かしいスキーロッジってやつだ。狭いけど暖房効いてるし全然快適。

 夕食前に荷物の再チェック。削れる装備はないか、2人のバランスは取れてるか、もう一度点検する。今回はDAY1の夕方にテント張ってからたっぷり時間があるので、まともな夕飯を作って食べるため食材がかなり重いのと、朝晩はかなり寒くなることが予想されるので寝袋は4シーズン用で重さも嵩もそれなりにある。だが寝食は心身の英気を養うためにとても大切なので削らない。

  夕飯はビュッフェ形式だ。ここもなんかお洒落。会場全体がちゃんとデザインされていてOMMのブランドイメージへのこだわりが感じられる。

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とてもリラックスできてレース前の緊張感などどこへやら。

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 明日のために夕飯をガッツリいただいた後は、OMM BARでビールの飲みながらテーブルに貼り付けてあった地図(当然ですがスタート/フィニッシュ、コントロールの位置は書いてない)を肴に作戦会議。

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【DAY1】(11月12日)

朝6時起床。

朝食ビュッフェをガッツリ食べていざ出陣。

快晴!  北アルプスが朝陽を受けて輝いてる。爺ヶ岳(左)から鹿島槍(右)までの稜線が美しい。

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林道を1kmほど歩いてスタート地点まで移動する。

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 スタート地点はいくつかのブロックにテープで区切られていて、ブロック毎に順に前へ進み、最終ブロックで初めて地図を受け取ります。ざっと地図を読み、コントロールの位置を確認して方針を決める。そして最終ブロックから1分ごとにスタートしていきます。

 ウェーブスタートなのでトレランのような「渋滞」はないものの、狭いシングルトラックを連なって降りていきます。最初からハイペースだと体力消耗するのでちょうどいい塩梅だ。

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 最初はみんな行動パターンが同じでだいたい同じ方向を目指して進むのでOMMらしさはないけど、いきなり紅葉に彩られた里山の美しさに魅せられてレースなんかどうでもいいという気分になる。

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 進むに連れて各チームが少しづつ分かれて行く。僕のチームはその後、草に覆われたゲレンデに入った。山道だったらたいがい九十九折(つづらおり)になってるのだが、ゲレンデなので直登。やっぱキツイ。だけど登るにつれ下界の景色が広がって気分爽快。やっと山に入って気持ちが高ぶる。

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 ここからはいよいよ本格的な地図読みの世界が始まる。OMMらしくなってきた。各チームがてんでバラバラな方向に動き出す。同じコントロールを探しているのかどうかも分からないので後をついて行くなんて気にはならない。お互いどこへ向かっているのかなんて会話をすることもない。

 地図読みの基本は、

1)地図上で現在位置を把握すること

2)コンパスの磁北と地図の磁北を合わせて(整地という)進むべき方角を正確につかむこと

この2点を繰り返しながら前へ進む。

 コントロールは、地形や木や藪の陰に隠れて離れたところから見えることはほとんどない。目と鼻の先までいかないと見えないことも多い。なので、地図で読み取った地形と目で見た地形を重ね合わせて正確に位置を見定める必要がある。これが読図力でありレースの命運を分ける。トップ選手は走力も半端なく高いが、読図力も半端なく高いのだろう。走力はあるけど読図力が足りないのと、読図力はあるけど走力が足りないのと、どっちが有利か? OMMの場合は間違いなく後者だと思う。迷った時のタイムロスは致命的だ。とても走力でカバーしきれるもんじゃない。もっとも読図力が真に重要なのはレースに勝つためではなく、山で道に迷って遭難をしないためなので、山に入るあらゆる人が身につけるべきスキルだろう。その意味でも読図力を磨くことが走力以上に大切だと思う。

 地図を読むために何度も足を止め、じっくりと景色を眺める。静けさの中、風の音、鳥の声が聴こえる。走ってたら出逢えなかった一瞬、歩いていても出逢えなかった一瞬を味わい尽くす。

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そうこうしてる内にDAY1フィニッシュ地点に近づく。

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北アルプスがお出迎え。

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制限時間7時間まで10分を残して無事フィニッシュ!  

今日はここで一夜を明かします。

 とても明るく広々として素晴らしいキャンプ場だ。

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早速テント設営。レギュレーションによりチームで1つのテントを使います。2人で快適に過ごせるテントということで、やや重く1.5kgほどあるがアライのエアライズ2をチョイス。

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 テント設営を完了したら、何はともあれ日が沈む前に夕飯の準備だ。今回はキャンプ生活を楽しむことも大切な目標なので、ちゃんとした夕飯を作って食べます。いつもは軽量化のためフリーズドライかレトルトで簡単に済ませてばかりだけど、今回は生食材も取り入れてキムチ鍋を作ります。

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キムチ鍋の出来上がり。

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やっぱ旨い!

秋といえども里山の夜は冬並みに冷える。鍋は身体を芯から温めてくれる。

そして鍋と言えば締めだ。

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 締めラーメンも最高!

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日もすっかり沈み辺りは真っ暗。食後に定番の山スタバ(珈琲)を飲んで夕食終了。

 近くでどよめきが聞こえたので目をやるとキャンプファイヤーをやってる。

キャンプファイヤーなんて三十何年かぶりかな。みんなで焚き火を囲む。

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焚火の炎を見てると時を忘れる。

そしていつも炎の中に龍を見る。

昇り龍だ。

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テントサイトの夜景は、都会のイルミネーションとは異なる趣があってとても素敵だ。

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あちらこちらで団欒の声が聴こえて賑やかだ。みんなどんな話をしてるんだろう。

  夜が更け気温が急激に下がる。そろそろ寝る時間か。でもまだ20時くらい。寝付けにホットワインをたっぷり飲み干して就寝。

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 酔っ払って寝たもんで22時くらいに目が醒める。トイレに行く。外はますます冷え込んで寒い。月明かりにテントがぼんやりと浮かぶ。

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 もう団欒の声はなくテントサイト全体に人々の寝息(いびきも)が鳴り響いてる。静かだけど人間の”息”(生)に圧倒される。こりゃ熊も近づけないだろうな。

その後もなかなか寝付けないままに朝を迎える。

【DAY2】(11月13日)

テントから出てみると凍てつく寒さ。

零下4℃。

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 まずはモーニング珈琲で身体を温めてアルファ米フリーズドライで簡単に朝食を済ませたところでテントを撤収、パッキングしてスタートに備える。

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今日も快晴。有難い。走れば身体もすぐに温まるだろう。

いよいよDAY2が始まる。

 初日が思いの外、調子良かったのでどうせなら順位を上げたいと欲が出る。DAY1同様、直前に地図を渡されて作戦を練る。DAY1の経験があるので地形もだいたい想像がつく。今日はそれなりに走るつもりで野心的な計画を立てスタートした。

 前半は調子よくポイントを稼ぐ。相変わらず紅葉の山は素晴らしく気分は上々。

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 紅葉ばかりに目がいくが、針葉樹の直線美も素晴らしい。

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 時折、姿を見せてくれる北アルプスの雄姿に心が沸き立つ。夏になったらあそこを縦走したいもんだ。

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 DAY2の制限時間はDAY1より1時間短いこともあって、あっという間に時間が過ぎた。それまで調子良くポイントを稼いで来たが、どうもフィニッシュ地点までの移動距離と時間を推定すると制限時間内に帰れない可能性が高いことに気づく。ちょっと調子に乗りすぎたか・・・これがOMMの奥深さだな。

それからはとにかく得点より前へ進むことに集中。トレランモードで走れるところはしっかり走る。

 ようやくDAY1で通ったゲレンデのてっぺんに到達。眼前に北アルプスを見渡し、眼下に青木湖を見おろす絶景に息を飲む。

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 ゲレンデを降りたところで時間を確認。時既に遅し。ここからの登りるを考えるとどうしたって制限時間をオーバーすることがわかった。制限時間オーバーに対するペナルティーは1分5 点と重い。とにかく減点を最小限に抑えるべく先を急ぐ。しかし登りに入るとペースが上がらない。息を切らして必死に黙々と登る。ゲレンデの急傾斜を登り切り、最後のコントロールに到達。後はゲレンデを下るのみだ。

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北アルプスがお出迎え。

最後の力を振り絞って走る。

そしてフィニッシュ!

制限時間24分オーバー、120点の大減点。

これも1つの経験だ。次に活かそう。そう思えば全く悔いはない。

反省はしても後悔はしないというのがモットーなのだ。

こうして初めてのOMMは終わった。

 お山をグルグル廻った2日間の走行距離50km強、累積標高2千m強くらいでした。

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 帰路の途中でネットでリザルト(暫定)を確認すると、成績は思いのほか良くて完走186チーム中の66位。

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DAY1の順位が71位だったのでDAY2で順位を上げだことになる。反省点は多々あれど、よう頑張ったんやとようやく自分達を褒めることができた。

最高に美しく、楽しかった2日間に感謝!

来年はもうちょっと順位を上げたいなどと欲が出るのは人間の性。

OMMは同じ場所ではやらないので来年の開催場所はわからない。あまり遠いところでないことを願うけど、こんなに楽しいレースだったら遠征してもいいかな。

それまで走力、読図力をもっと磨くとしよう。   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワラーチ de UTMF !

  UTMF(ウルトラ トレイル マウント フジ)は名実ともに日本最高峰のトレイルランニングレースだろう。トレランを始めて少しづつ距離を延ばしていく中で、いつしかUTMFを完走することが大きな目標となる。その頃は100マイル、累積標高8千mなど全く想像できなかったが。

  昨年の7月に上州武尊山スカイビューウルトラトレイル125K(YNMC)をワラーチで完走するまでは、UTMFなどまだまだ先のことのように思ってた。 しかし、泥沼に苦戦したYNMCを制限時間ギリギリの30時間、寝ないで完走できた時に、はっきりとUTMFが次の目標となった。

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  UTMFのエントリーが始まって迷わず申し込む。そして0次関門突破。まわりで落選した人も多かったので自分にとっては奇跡のように感じられた。さぁUTMFに向けどんな準備をするか?

この時からUTMFの長い旅路が始まっていたのだと今は思う。

 まずは100マイルという未知の距離にどう向き合うかだ。やはりロードで100マイル以上走る経験を積むことだろう。ロードというのはトレイルとは異なる厳しさがあるので、きっとロードで100マイル以上走った経験は自信に繋がるに違いない。だけどそんなレースはそんなにあるわけじゃない。関東圏では小江戸大江戸200Kくらいか。というわけでエントリーするも慣れないスポーツエントリーでクリック合戦にあえなく敗退。どうしよう(-_-;)

 そんな時、とあるマニアックそうなレース(というより企画に近い)が目にとまる。第1回 甲州街道「鳥の旅」・・・なんじゃそりゃ。募集人員は40名程度。上諏訪から日本橋まで旧甲州街道を中心に215kmを46時間内に走る(歩く)という企画だ。きっとこんな企画に参加する人達はかなりマニアックな人達なんだろう。そんな人達と知り合えるのもいいなと思いエントリー。結果は180kmくらい走った八王子あたりで脚の故障によりリタイア(詳細はこのブログの投稿を参照)。リタイアは残念だったけどロード100マイル以上走る経験ができたので参加して良かったと思う。(来年は日本橋まで辿り着きたい)

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 UTMFに落選した人はまわりに多かったのだけど、どういうわけかワラーチ仲間のユカさん、タルさん、タッキーが当選。聞くところによるとUTMFをワラーチで完走した人はいないという。ならば我々がそれを成し遂げよう!ということになった。

 皆さんウルトラやトレイルの経験豊富なので走力的には完走ポテンシャルがある。なので完走の鍵を握るのはワラーチの耐久性だろう。コンディションが良ければどんなワラーチでも問題無いとおもうが、雨が降ってトレイルが泥沼になると足裏とフットベッドの間が滑りソールや紐に強烈な負荷が掛かる。昨年のYNMCは正にそんなコンディションだった。そのレースを耐え抜いたワラーチならきっとUTMFにも耐えうるだろう。

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そんなわけで自分のワラーチをベースにウルトラトレイル用ワラーチのワークショップを開催し、それぞれの経験や知恵を共有する。このプロセスを経て皆それぞれ納得する自分なりのワラーチを作り準備が整った。

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そして向かえた9月23日 。朝3時半にマイカーで家を出発し、船橋でタッキーをピックアップ、雨の中、河口湖へ向かう。予報では土曜日くらいからお天気は快復するらしい。雨が上がってもトレイルは泥沼になることは容易に想像できるがYNMCを耐え抜いたワラーチなら崩壊することはないだろう。ワラーチに不安を抱えていては完走は遠い。信頼できるワラーチというのは重要な完走条件だと思う。談合坂SAでサポートをお願いしたヒロさんと合流し河口湖へ向かう。

 河口湖の北麓駐車場に車をとめユカさん、タルさんと合流。着替えや荷物の積み替えとかしてると少し晴れ間が見える。やはりお天気は快復か。

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 河口湖到着。スタートの13時まで3時間くらいある。独りで待つのだったらレース前の緊張感が続いて辛い時間だったろうけど、ワラーチ繋がりのたくさんの仲間が集結し、終始リラックスした雰囲気。本当にこれから100マイルも山の中を走るの?

 快復すると思ってたお天気は一向に快復せず雨が降り続く。どうやら富士宮には大雨警報が出てるらしい。そうこうしてるとスタートを2時間遅らせて15時に変更するというアナウンス。中止になるよりはよっぽどいい。スタート1時間前の2時に開会式が始まり人が動き始める。こっちは順位を競ってるわけじゃないし、走る前からあんまり雨に当たりたくもないのでのんびり構えてる。スタート30分くらい前になってからスタートゲートの方へ移動し記念撮影。ようやく走るんだという実感が湧いてくる。

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その時、鏑木さんから重大な発表がある。なんとコースをA3までの50km弱に短縮するとのこと。会場にどよめき。100マイルじゃなきゃUTMFやないやろ。迂回路は無いのか? しかし鏑木さんの辛さに打ち震えた声を聞くとありとあらゆる選択肢を考えたけどそうせざるを得なかったんだということが分かる。気を取り直して50km弱の旅を精一杯楽しむことにする。

  15時スタート。最初の5kmのロード区間を快調に走る。

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トレイルへ入るところで大渋滞。 

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ここが渋滞することは知ってたので、焦ることもなく、ワラーチに興味を示して話しかけてくれる人といつものワラーチ談義などしてるうちにトレイルに入る。トレイルに入っても渋滞は続く。

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トレイルは泥沼にはなってないが土泥でスリッピーな状態。でもワラーチで特に支障はない。足和田山山頂を越え林道を下る。この辺りから路面の泥濘が酷くなる。斜度が大したことないので慎重に脚を運べば十分走れる。まずまずのペースでW1鳴沢(13km)に到着(17:30)。A1まで7kmほどなので補給せず先を急ぐ。かなり暗くなったのでヘッドライトを付け、精進湖への下りのロードを快調に走る。100マイルが50km弱に短縮されたせいか全般的にハイペースだ。

 A1精進湖(20km)に到着(18:24)。おもてなしメニューの「すい豚」をいただくが、長居せず滞在時間2分で出発。フラットな樹海トレイルを抜けパノラマ台への急な山道を登る。スリッピーだが慎重に登ればさほど足を汚すこともない。パノラマ台から佛峠までは緩やかな下り基調のトレイル。泥濘は段々酷くなる。本栖湖への急な下りに入りその酷さがピークに達する。足裏とフットベッドの間に泥が入り滑る。地面とソールも滑るので二重苦だ。急な下りなので足が前方へ持っていかれて鼻緒に大きなテンションが掛かる。足裏がフットベッドから落ちるんじゃないかと思うくらい足が横づれを起こす。しかしこれはYMCAで経験済み。このワラーチは絶対壊れない!という絶大なる信頼感のお陰で、二重苦をギリギリのところで制御し難局を切り抜けた。

 ようやくA2本栖湖(32km)に到着(21:15)。何はともあれワラーチを洗う。ヌルヌルで滑りまくってたフットベッドが復活して気持ちもリフレッシュする。その時、タッキーに声を掛けられる。ユカさんもいる。修羅場をくぐり抜けた戦士の再会のように嬉しい。おもてなしメニューのゆば丼を食べ、ホットコーヒーを飲み、ボトルに水を補給。ゴールはA3ではなく、その手前の朝霧高原の道の駅になったとのこと。残すところ十数キロ。3人揃って出発(21:37)する。

 しばらくロードが続く。激しい雨が降る。時々脚が攣ってペースダウンするがスタミナは十分残ってる。ここでスタミナ切らしてるようでは100マイルなんて走れっこないんだから当然だけど。再びトレイルに入る。バシャバシャと水溜りを駆け抜ける。素足にワラーチの場合、濡れることへの抵抗感は皆無だ。むしろフットベッドを洗えるのであえて水溜りの中を走ったりもする。ロードで先を進んでいたユカさんに追いつき再び3人で走る。その後入った暗闇のトレイルを走ってたら逆走するランナーがいる。どうやら大量ロストらしい。途中でルートやらゴールが変更されたので無理も無い。こんなことになったら順位もタイムも関係ないんだから走りを楽しむだけだ。ロードに戻った辺りでワラーチ仲間の杉さんと合流。残り2kmほど。ここからは4人でゴールの朝霧高原の道の駅へ向かう。ゴール間近でも結構ハイペース。たったの46kmだからね。フィニッシュゲートが見えた。ワラーチ4人揃って奇跡のゴール(23:08)。ランタイム8時間8分。迎えてくれたヒロさんとも喜びを分かち合う。ヒロさん的には限界を乗り越えてヘロヘロになった我々を迎えたかったようだけど、たった46kmなのでみんな元気です。

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こうして僕らの小さなUTMFは終わった。体力的には物足りなかったけど、エントリーからそこへ至るプロセスや本番での悪天候による波乱万丈の時を、たくさんの仲間と分かち合えた経験は何ものにも変えがたいものとなった。だからこそ100マイル走れなかった割には達成感があるのだと思う。

  翌日のSTYはUTMFどころではない波乱万丈のレースになり、それを自分も含めて全力でサポートして、途中でレースは中止になったものの、走った人もサポートした人も一同に達成感を共有できたと思う。

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  今回のUTMFとSTYを通して考えさせられた山と人間との関係について、レース後、様々な意見が交わされている。何が正義であるかなんてわからないけど、人間は馬鹿じゃないからきっと今回の経験を経て良い方向へ向かうと信じたい。

 そして来年か再来年かわからないけど、大きなUTMFででっかい富士山の周りを一周したい。その思いを強くした。

旅はまだまだ続く。

もっと遠くへ!

 

 

白峰三山ワラーチ縦走

これまで数々の山に登ってきたけど南アルプスの山にはご縁が無かった。関西に住んでた時にはアプローチが難しい。関東に住んで20年、やっと南アルプスへ行ってきました。

圧倒的に単独行が多い自分ですが、今回はこの秋にOMMレースにパートナーとして参加する新川さんを誘って登りました。OMMの予行演習も兼ねてテント泊にしました。新川さんはタフなトレイルランナーですが3000m級の山は初めて。いきなりファストパッキングのハードな登山計画ですが新川さんなら大丈夫だと判断。しかしその1週間前のおんたけウルトラトレイル100kmで脚を痛めてしまったので、もしかしたら単独行かなと思いましたが、なんとか回復したようなので当初の計画通り、2人でファストパッキングとなりました。なおかつ2人ともワラーチ。

【7月23日】

朝7時、JR三鷹駅で新川さんのマイカーでピックアップしてもらい芦安駐車場へ向かいます

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いきなり中央道渋滞。予定してた登山バスに乗れるか乗れないかヤキモキしつつも1カ月前の甲州街道鳥の旅で訪れた甲州盆地を眺めながらあの時のことを思い出して懐かしむ。

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ようやく山の中に入ってワクワク。

芦安駐車場に車を止めて予定より1時間遅れ、乗り合いタクシーで登山口となる広河原へ向かいます。

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(11時40分 広河原登山口)

広河原の登山口から出発。

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気持ちの良い森林帯のトレイル。

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段々と勾配がきつくなる。

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(13時 白根御池小屋)

白根御池小屋到着。なかなか立派な小屋です。トイレは水洗で綺麗に清掃されてました。

 小屋を出るとすぐに「草スベリ」と呼ばれる急登が始まります。

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文字通り、草に滑りそう。登山道はしっかりしてるのでそんなことはありませんが。

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(小太郎尾根分岐)

主稜線の端っこに到達。ガスって眺望はないけど、見えるであろう稜線を想像して俄然モチベーションUP!

そして本日の目的地である北岳肩の小屋へ到着。

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(15時10分 北岳肩の小屋)

 テント場には既にたくさんのテントが張られていて良い場所を見つけるのに少し手間取ったがなんとか見つけて設営。

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今回使うテントはアライのエアライズ2。重さは1.5kg。今時のUL感覚から言うと必ずしも軽くはないが居住性を考えるとOMM本番もこのテントだろう。

 設営を終えて一息ついたところで夕飯の準備だ。ご飯はモンベルの2杯分が1袋になったアルファ米に、無印のレトルト豆カレーとアマノのフリーズドライ親子丼。かなり食べ応えがありました。

食後の珈琲飲んで一息ついてたら何やら上の方から騒めきが聞こえる。小屋の前の広場に人が集まって手を振ってる。夕陽が見れるような空でもないがとりあえず上がってみる。そしたらナントこれまでに見たこともないくらいクッキリとしたブロッケンの妖怪が現れる。

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ブロッケン自体いつも見れるわけじゃない。これ見ただけでもここまで登ってきた甲斐があるというものだ。空を見上げると青空が広がり太陽の光が射し込む。

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2人テントの中でビールとワインとつまみで酒盛り。寝る前に夜空を見上げると満天の星空。明日のお天気は期待できそう。

こうしてる間にすっかり夜になって20時頃に就寝。

風は弱く静かな夜。気温もさほど低くないのでスリーシーズンのシュラフでも快適だ。

【7月24日】

3時起床。朝飯は定番のサッポロ一番みそラーメンだ。

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麺だけだと味気ないのでフリーズドライの具材をたっぷり入れてプチ豪華に仕上げる。朝珈琲飲んで一息ついたところで夜が明け始める。

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晴れてます。

雲の大海原が朝焼けの光に照らされて浮かび上がる。今から日の出までの間は刻一刻と光が変化するので目が離せません。

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(5時20分 北岳肩の小屋)

朝陽がすっかり上ったところで出発。

白峰三山の第一峰、北岳(3193m)を目指します。

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高度を増すにつれ雄大な景色が広がります。

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太陽の光に映し出される景色は刻一刻と変化します。

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光の織りなす景色とはまさに光景。

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富士山に何度も魅せられ。

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(6時 北岳山頂)

ついに北岳山頂に立つ。

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雲海に浮かぶ富士山。

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遥か彼方まで続く美しい主稜線。

ぼぉーと見ていたいけど、先が長いので第2峰の間ノ岳へ向かって出発。

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ミヤマオダマキ

高山植物も岩場のあちこちに咲いていて癒やされます。

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振り返れば北岳北岳山荘が遙か彼方に。

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高山植物咲き乱れ夏を謳歌してます。

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相変わらず富士山を拝みながら一歩一歩進みます。

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(8時 間ノ岳山頂)

第2峰、間ノ岳到着。

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相棒(ワラーチ)と一緒に富士山を拝みます。足蹴にしてるわけじゃありませんから。

第3峰 農鳥岳を目指し先を急ぎます。

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 富士山に挑むかのように立つ大きなケルンが平坦な岩場の道案内です。

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農鳥岳へ向かって美しい稜線が続きます。眼下に赤い屋根の農鳥小屋が小さく見える。

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見た目だと走れそうに見える稜線ですが、実は石ころだらけで走れるようなところはほとんどありません。ワラーチはクッションが無いので雑に着地すると足裏に負担が掛かります。なので一歩一歩丁寧に足を運びます。ワラーチで登山をしてると多くのハイカーに「足、怪我しませんか?」と聞かれますが、剥き出しの足だからこそ感覚が研ぎ澄まされ、岩に足をぶつけるとか、滑らせるということが少ない。少ないのであってゼロでは無いから、岩にぶつけた時のリスクはシューズより高いのは致し方無い。総合的に評価するとワラーチを選ぶ。何よりもその開放感、地面との対話は捨て難い魅力となってしまった。その代わり、もしもの時の備え(ファストエイド)は怠らないようにしてる。

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(9:50 西農鳥岳山頂)

西農鳥岳山頂に到着。

先を急ぎます。

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平らなところが農鳥岳山頂です。

富士山を背景に美しい稜線に何度も見惚れます。

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(10:30 農鳥岳山頂)

そしてついに第3峰 農鳥岳(3026m)に到達。白峰三山制覇!

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ここからしばらく稜線を進み大門沢下降点から奈良田へ下山。

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( 11:05 大門沢下降点)

ここからは樹林帯の急坂を黙々と下ります。大腿四頭筋使いまくりで明日からの筋肉痛は必至。

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(12時20分 2030m 大門沢の河原)

大門沢の河原へ出てようやく勾配が緩みますが、先は長い。

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途中、沢のように水が流れるトレイルに出くわす。ほんまに正しいトレイルなのか? 立木に赤いリボンがあるので間違いないだろう。 

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こんな時こそワラーチの本領発揮だ。濡れても平気をなんの躊躇もなくバシャバシャと水の中を進みます。疲れた足に冷たい沢水が気持ちいい。

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吊り橋を渡る。ゴール地点の奈良田第1発電所までもうすぐだ。

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7月24日 15時

無事にワラーチ白峰三山縦走を終えました。全行程22kmでした。

そこからがまた大変。

発電所から暴走登山バスに乗って広河原まで1時間。広河原で40分くらい待って、芦安駐車場までまた暴走バスに乗って1時間。3時間弱も掛かってなんか無駄な時間。こんなことなら奈良田駐車場にしとけば良かった。次回はそうしよう。

芦安駐車場の日帰り温泉で汗を流して、甲府の小作でほうとうを食べた。

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河口湖の不動と並ぶほうとうの有名店らしい。確かにどっちもボリュームたっぷりでお腹一杯。

のんびりし過ぎて高速の渋滞のこと忘れてた。中央道渋滞で千葉まで帰り着けるかどうか微妙だったけど、なんとか帰り着きました。

梅雨明けしていなくて出だし天候が良くなかったので、OMMに向けた予行演習なのでお天気悪くていいやと思ってたけど、蓋を開ければお天気に恵まれ最高の山業でした。 

FINE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

甲州街道 鳥の旅 215km

UTMFを走りたい。

 富士山をグルッと一周、距離165km、累積標高7500mを46時間以内で周る日本最高峰のトレイルランニングレースだ。距離、時間とも未体験ゾーン。

 UTMFへのステップとして100マイル以上の距離を経験しておきたい。そう思ってたところへ『鳥の旅』が転がりこんできた。

甲州街道を下諏訪から日本橋まで215km、46時間で走破する。まさに距離と時間を経験するにはもってこいだ。即エントリー。UTMFは抽選なのでその時点でUTMFを走れるかどうか決まってたわけじゃないが、結局UTMFの0次関門(抽選)を突破することになる。思考は現実化するのだ。

 基本的にロードを走るのは好きじゃない。だけどこの大会の触込みはこうだ。

 

『下諏訪から日本橋まで江戸時代に整備された五街道の一つ"甲州道中"
昔の面影を所々にのこす旧道を堪能し旅をする』

 

なんとも唆るキャッチフレーズ。さっそく甲州街道の解説本を買ってルートをトレースしながらスマホの地図アプリgeographicaに宿場や旧道分岐点をマーカー登録。

まずは地図上の旅から始める。

 主催者からの地図は1週間前になってもまだ届かない。私設レースみたいなもんだし記念すべき第1回ということで主催者の末房さんが独り奔走して企画してくれてるんだから無理もない。こっちは解説本で頭にインプットしてあるのでさほど不安は無い。そうこうしてるうちに地図とゼッケンが届く。

 

 スタートは6月25日 0:00 下諏訪

前の日は当然仕事なので、キャリーバックに装備を詰め込んで出勤。パッと見、宿泊出張にしか見えないがバックの中身は開けてビックリだ。その日は霞ヶ関ビルの最上階で大きな会議があり、江戸の街を見渡すことができた。

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果たしてここへ戻ってこれるのか・・・

仕事が終わって新宿バスタへ移動し、18:25発の岡谷行きバスに乗り込む。

少しでも寝た方がいいのだけれどそう思うとなかなか寝付けず。1時間くらいはうとうとしたかな。21時半頃に下諏訪下車。雨が降ってる。

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スーツを着たままなので下諏訪駅へ向かい、身障者用の大きなトイレでビジネスマンからスーパーマンならぬウルトラマラソンマンに変身。

 スタート時間まで2時間くらいあるし急いで受付場所の諏訪大社まで行くこともないかと駅の待合室を覗くと明らかにランナーと分かる方がお二人。こんな時間にこんなところに座ってるのはこの旅に出る人以外は考えられません。『走る』という共通点だけですぐに話しが盛り上がる。これまでのどんなレースに出たとか、あれこれ話してるとあっと言う間に時は経ちます。どうやら受付場所にも人が集まってきたようなので我々も雨の中、移動します。

 受付場所の諏訪大社秋宮へ到着。私設レースらしく小さなテントが1つ。

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みんな降りしきる雨などへっちゃらな感じで和気藹々としてます。タフな人たちだ。ここで通行手形をいただき、旅の気分を盛り上げてくれる。主催者の心遣いに感謝。

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裏面にはこう書いてある。

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 俺は変態なのか?

世間ではそう思われるのかもしれないが、変態の集まりの中では変態では無いことだけは確かだ。 

せっかくなので諏訪大社に参拝して、旅の無事を祈念。

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【6月24日0時】

旅のスタート!

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みんな一斉にダッシュ・・・なんてことはありません。まるで散歩に出たようなユルユルなスタート。先は長いからね。街道に出るとぼちぼち加速。初めての経験でどのくらいのペースで走るのかよくわからないので、集団につかず離れず前へ進みます。スタートまでかなり降ってた雨も小降りになって気持ちも明るくなる。

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夜なので景色を楽しむということもなく、時折、旅人達と会話しながら、ただひたすら街道を進みます。雨は降ったり止んだり。レインウェアを着るほどでもないくらい。

そして夜が明けました。旅人達とはバラけて独りの時間が多い。

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(6月25日5時前  蔦木宿付近)

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白州町に入り東京まで171kmの道路標識。気が遠くなる距離だけど、そんなこと考えなきゃなんてことありません。125kmを超えて走ったことの無い自分だけど、超長距離を走るために必要な心の持ち方は分かってます。

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コンビニエイドで至福の珈琲をいただきます。レース前はカフェイン断ちしてるので、レース中の初珈琲は気持ちをシャキッとさせてやる気を起こすのにとても有効でした。

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台ヶ原宿を過ぎた辺りで古道入口の標識。先を急いでそのまま国道を行く人が多い中、古道に入って行く旅人が一人。せっかくの歴史を辿る旅なんだから古道を走ろうとついて行く。

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旅人に撮ってもらいました。

随分と草木が生い茂ってますが、思うにこの古道が現役バリバリに活躍してた頃は、もっと整備されて道らしかったろう。

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古道を抜け再び国道を進みます。

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武川町に入り富士山が見えました。

電線が邪魔。電信柱と電線は著しく日本の景観を損ねてると思う。

この辺りは旧道へ入ったり出たりします。

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(6月25日 7時頃  武川町牧原)

旧道の両側にはたいがい水路があって民家があります。きっとこの水路が生活に密着していたんだろう。舗装と電線が無ければ江戸時代にタイムスリップできそう。

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立派な蔵や庭のある風情のある大きな家が多い。街道筋に住む人達は裕福な名家だったのだろうか。

騒々しい国道よりも静かな旧道や古道を走るのが心地良い。

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韮崎を過ぎると富士山を背景に甲府盆地を見渡す場所がありました。昔の旅人もきっと脚を止めてこの景色を見たのだろう。

 甲府盆地へ降りると晴れ間が広がる。雨上がりで蒸し暑い。脚は元気でも気持ちが萎えて歩く時間が長くなる。第1エイドまでの数kmがなかなか縮まらないので余計に気持ちが萎える。

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(6月25日 12時)

ようやく第1エイドの石和健康ランドに到着。風呂に入ってから身体はリフレッシュ。

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風呂上がりのソフトクリームが旨い!

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脚を休めて気分を持ち直したところで再出発。

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それにしても甲府盆地は暑い。

諏訪の雨が恋しい。

第2エイドまでは22kmくらいで距離は短いけれど難所、笹子峠を越えなければならない。第1エイドを過ぎてからどうも左脚前面の足首の上の辺りが痛む。4月のチャレンジ富士五湖ウルトラ118kmのの時に痛めたのと同じ部位だ。いやな予感。走り方を微調整して少しでも痛みの少ない走りを試行錯誤して走る。

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鶴瀬宿から国道を離れ笹子峠への旧道を登り始める。どうせペースも遅いし、走り方を矯正するならいっそ裸足でと思ってワラーチを脱いで裸足で走る。裸足だと不思議と痛みが薄れる。このままずっと裸足でと行きたいところだか、スリップ防止のためかヤスリのように粗いアスファルトに足裏の痛みを我慢できず再びワラーチを履く。路面状態を見て時々裸足になりながらひたすら峠道を登る。

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(6月25日 17時45分 峠道分岐)

 峠道の途中、甲州街道峠道の標識から山道に入る。

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整備が行き届いていてとても走りやすい。何よりも森の木々に包まれていると心が休まる。やっぱりトレイルが好きだな。

  再び旧道へ戻り笹子隧道へ到着。

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(6月25日 18時半 笹子隧道)

日没が近づいてかなり薄暗い。このトンネルは〇〇が出るので地元の人は夜は通らないとか・・・独りぼっちでここを通るのかと思うと鳥肌がたつ。しかし前へ行くしかない。脚の痛さも忘れてダッシュで駆け抜けた。

 トンネルを出て少し降りて再び山道へ入る。薄暗い森の中、圧倒的な存在感でその木は目の前に現れた。思わず息を呑む。

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矢立の杉、樹齢千年。甲州街道甲州街道と呼ばれるそのずっと前からこの場所で生き続けてきたのだ。これを見れただけでもここまで走ってきた甲斐があったというものだ。日が暮れる前にここまで辿りつけて本当に良かった。

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 矢立の杉から走りやすいトレイルを駆け降りるとようやく第2エイドに到着。

ちょうど日が暮れて夜になった。

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(6月25日 19時15分)

独り孤独に走ってるとエイドで人と会えることだけで安堵する。

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そして、ここで食べたカレーライスとお味噌汁が最高に美味しかった。

 ここからはナイトランだ。それに第3エイドまでは50km以上の長丁場。気合いを入れて出発。国道を淡々と進む。大月宿の手前で暖かい食べ物をお腹に入れようとコンビニへ入る。というのもこの先、下鳥沢からの長い旧道はコンビニが無いことが十分予想されたからだ。

脚が痛かろうが、眠かろうが、動ける限り前へ進めるが、ガス欠になったら動けない。だからお腹が空いてなくても食べる。これは超長距離を走り抜くためにとても大切なことだと思う。

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(6月25日 22時15分)

で、食べたのがコレ。ちっとも美味しくない。さっきのカレーとは大違いだ。後で教えてもらった話しだともしかしたらこの頃からミネラル不足(特に亜鉛)による味覚障害に陥ってたかもしれない。UTMFの時にはミネラル補給をしっかり計画したい。

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 下鳥沢で国道を離れ真っ暗な旧道へ入る。アップダウンを繰り返す。途中、犬目宿を過ぎた峠で視界が開けた。眼下に談合坂SAが見える。

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(6月26日 1時)

行き交う車を見てるだけでも少しは孤独が紛れるのだが、暗闇から独り手の届かない景色を見ていると、まるで自分があの世から眺めているような気分になって少し寂しさも感じる。

 旧道をさらに進みようやく上野原宿で国道20号戦へ合流。合流してすぐにコンビニの灯りが見える。オアシスのように思えた。少し空腹感を感じたのでカップうどんを食べたのだが・・・

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(6月26日 3時 上野原宿)

むっちゃ不味い。やはりミネラル不足で味覚障害だったんだろう。でも根っからの珈琲党なせいか、暖かい珈琲は美味しくて気持ちがシャキッとする。

 シャキッとしたところで国道を進みます。やがて夜が明け始め、明るくなったところで相模湖に到着。

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(6月26日 4時20分 相模湖 西端)

湖畔沿いはコンビニも無く、歩道もちゃんと整備されてないところが多く、交通量も段々多くなる時間帯なのであまり快適とは言えません。そんな中、広々とした湖を見渡す場所がありしばし見惚れる。

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再び怖い国道を進みます。脚の痛みに気を取られてたのと、国道20号を進むんだという思い込みに地図も見ずに小仏峠へ向かって峠道を登っているつもりが、峠のてっぺんに着いたら、大垂水峠って標識が・・・・あれっ?

道間違いをやらかしてしまったようだ。

スタッフの方に電話してどうしたらいいか相談したところ、そのまま20号線を進んで第3エイドをパスして日本橋へ向かうか、道間違いした分岐へ戻って予定のコースへ行くかの選択肢。時間的にはまだ余裕がある。さてどうする。よし、戻ろう。第3エイドで竹姫(スタッフ)に会うんだ。ふと見るとそこには富士山の雄姿が。

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本当は見るはずのなかった富士山を見れて良かった。そんな風に自分の都合のいいように楽観的に思い直すのも超長距離を走るためには必要な能力かもしれない。

そこから道を間違えた分岐までは何故か脚の痛みも無く下り坂を激走。あっと言う間に分岐へ到着。どうやら人間の身体はここぞという時にはアドレナリンがいっぱい出て痛みを麻痺させるらしい。

分岐からは小仏峠を越える林道に入ります。ホッとしたとたん脚の痛みが復活。慌てずぼちぼち登ります。痛くても山の中は気持ちがいい。

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そしてようやく小仏峠へ着く。

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(6月26日 8時24分 小仏峠

さぁ、ここを下れば第3エイドだ。

再び山道を下る。これから登るハイカーと逆走。舗装路に出て左手に文明の象徴、高速道路を見る。もうすぐ第3エイドだ。そう思うとまたアドレナリンが湧いてきて走れる。下り坂をいいペースで走る。スタミナはまだまだイケる。

そして第3エイド到着。

(6月26日 9時15分 高尾梅の郷 まちの広場)

竹姫の姿が見える。やっと会えたぁ。第2エイドから第3エイドはマジでキツかったけど、竹姫に会うんだと言う気持ちがかなり支えになって辿りついたんだと思う。

第3エイドに着くとまた脚の痛みが復活。保冷剤をもらってアイシング。日本橋まで50km以上ある。道を間違えて余分な距離を走ってしまった。ここでリタイヤするかどうか悩む。でもここでリタイヤはちょっと惜しい。もう駄目だと納得するまでは走ろう。そう思い直して第3エイドを後にした。

 第3エイドに辿りついてホッとしたせいかアドレナリンが出ないようで脚が痛いし都会は暑い。スタミナはあるけど気持ちがついてこない。ヨタヨタと走ってるとなんと友人に遭遇。偶然? そんなはず無くて、僕のFBの投稿を見て応援のため国道20号線を逆走してきてくれたとのこと。それから楽しくラン談義しながら併走。こうやってぼちぼち走ればいつか日本橋へ着くかなぁ、なんて思いながら・・・

 しかし、左脚のこれまでと違う部位に痛みを感じ、走りがおかしくなった。10kmくらいなら走り切るが50km走れるのか? ここで脚を壊したら梅雨明けの夏山やその先のUTMFをふいにしないか?  悩んだ末、リタイヤを覚悟。そう決めたら走るどころか歩くのもままならない。人間の身体の不思議。近くのコンビニでどっと疲れが出て休息をとる。独りでリタイヤしてたら悲愴感に包まれてたかもしれないけど、友人がいてくれて話し相手になってくれてなんか清々しい気分。友人に感謝。

6月26日 10時40分

こうして僕の「鳥の旅」は日本橋まで辿りつくことなく八王子で終わった。

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runmeterのログ

走行距離:182km

走行時間:35時間 

距離、時間とも自己ベスト。

金曜日の朝6時に起きてから日曜日の18時に就寝するまで不眠時間60時間。人生初体験。人間の身体の限界って考えているよりも高いところにあるようだ。

課題は左脚の故障だが、ロードよりはトレイルの方がダメージは少ないだろう。そう考えるとUTMF完走は無理な話しじゃないと今は思える。そもそもUTMFに向けての経験を積むためにエントリーしたと言う意味においては十分目的を果たせたと思う。

 来年リベンジするかどうかはわからないけど記念すべき第1回の「鳥の旅」に参加して本当に良かった。あらたな出会い、初めて見る景色、人間の身体についてのあらたな気づき。何事もやってみなきゃわからない。182kmという距離も1kmの積み重ねでしかない。一歩一歩に集中して前へ進む。

人生も同じ。

あらためてイチローのこの言葉が頭に浮かぶ。

『小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。』

確かにそうだ。

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内側から外側へ

 『すべての成長や生命は内側から外側、すべての衰えや死は外側から内側へ向かいます。これが普遍の法則なのです。あらゆる進化も適応も内側から生じます。他人との争いをやめ、自分の持つ力を、自身の心の変容、再生、そして発達に傾ける人は、自身のエネルギーを保持し、自身を護る人です。』(「心の中から」ジェームズ・アレン)
内から外へ向かうもの。それは愛。
TAKEの無いGIVE。
怒りや愚痴を外へ吐き出すのと何が違うの? 
ネガティヴなものを外へ出すって、電子の動きと電流が逆に流れるみたいに、実はそれは外から内へ奪うエネルギーなんだろうね。
Be postive !
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トレイルを守るということ

  5月21日、22日の2日間、ワラーチ倶楽部の仲間が企画した西湖でのトレイル整備イベントに参加しました。レースであれ、登山であれ、当たり前のように利用しているトレイルだけど、それを維持して安全に通れるようにするには人が常にメンテナンスしなければならない。華やかな表舞台の裏にはそんな裏方さんが必ずいるってことを体感した濃ゆい2日間でした。
  今回は秋のワラーチ・トレイルレースのコースになる予定の西湖の東側道路の山裾を通る“旧根場(ねんば)通学路”という使われなくなった通学路の整備でした。
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 組体操すら危ないからと運動会で廃止されてしまうような過保護な時代ではあり得ないワイルドな通学路。ここが現役で活躍してた頃はどんなトレイルだったのだろう。そんな事を想いつつトレイルへ分け入る。
  いよいよ整備開始。3チームに分かれそれぞれ異なるパートを整備します。私はCチーム。傾斜が緩やかなパートなので女性5人と男性2人。 使う道具は、クワ、ノコギリ、ショベル、剪定バサミ、ナタなど。
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イベントリーダーのタルさんが関わる地元四国の“どんぐりトレランチーム”からお借りした物です。自分も家庭菜園で使ってるクワを持参しましたが、お借りしたクワは細身だけど肉厚でずっしり重く、畑用とは別物でした。山の斜面は畑と違って石ころもたくさん埋まってたので、畑用じゃ文字通り刃が立たなかったと思う。借りて正解でした。

 泉田さんが前を歩きながら整備のポイントをデモンストレーションしながら説明してくれました。
 
①土が流れて斜面になってしまったトレイルの山側を切り崩してフラットにする。切り崩した土を谷側でしっかり踏み固めておく。(クワ、ショベル)
②大きな石ころや木の枝や幹など、蹴躓かないように取り除く。
③走ってて頭にぶつかりそうなくらい張り出した枝葉を最小限に切り払う。(ノコギリまたは剪定バサミ)
 
作業開始。
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こんなトレイルが・・・
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こんな風になって・・・
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極上トレイルがどんどん延びていきます。
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 どちらかというと雑で飽きっぽい男子と違って、女子は丁寧だし、地道に取り組みます。まさに女子力炸裂!  
 実は作業を始めてしばらく、女子の進みが遅いので、タルさんと「あんまり丁寧にやり過ぎたらきりが無いね」とか話したりしてたんだけど、大きな誤解でした。 気がつけばCコース折り返し地点。女子からは「もう終わったの?」の声。いつの間にか、すっかり仕事人になってるやんか。
その後、折り返しながら仕上がりをチェック。
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どうですこのトレイル! 消えかかったトレイルが復活。みんなで走って踏み固めればさらにいいトレイルになるなぁ。
 
作業が終わり通学路の入り口まで戻って記念撮影。
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武器を振り上げエイエイオー!
トレイル戦士だ。
 
整備が終わってもお楽しみはまだまだ続きます。
 
拠点キャンプビレッジ“ノーム” に戻り、山仕事の汗を、歩いて2〜3分の温泉“いずみの湯“で流してさっぱり。夕飯はお待ちかねのバーベキューパーティです。キャンプ場を運営する我らが師匠 木村東吉さんの挨拶に始まり、ワイワイガヤガヤあっという間に時間が過ぎます。
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 走ることについての皆それぞれの体験や考えなど、面白おかしく、時には真剣に語り合うって美味しすぎるわぁ。
もちろん料理も最高に美味しい。
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肉の後は定番の焼きそば。
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さらに、締めは功子さんの“そば飯”
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まいうぅ〜!
 
パーティーが終わっても場所を変えてまだまだ宴は続きます。
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そしてテントで就寝。
おやすみなさい。
 
朝です。
今日もいいお天気。
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ノームのテントサイトはむっちゃ気持ちがいい。だから何度も来たくなる。
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朝の西湖の静かな佇まいに、いつも心が癒される。
朝食は、朝カレー(レトルト&アルファ米だけど)と至福の珈琲。
一息ついたところで活動開始。
 
 今日は昨日整備したトレイルをみんなで走ります。
自分のチームが整備したところをみんなどう感じてくれるのかな?
他のチームはどんなトレイルを整備したんだろう?
これまでに経験したことのないワクワク感です。
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 キャンプ場の入り口に集合。
前日に呑みまくっていた酒豪達(朝から迎え酒を呑んでたらしい・・・)も何事もなかったかのように強者ランナーの出で立ち。流石です。
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  東吉師匠を先頭に旧通学路に入ります。
Cチームが整備した区間で「これは凄い!」「走りやすい」という声を聴いて、人知れずドヤ顔になる。
  Aチーム、Bチームのエリアは急斜面や岩場などかなり難易度が高く、屈強な男子が配置されたのが頷ける。
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 完全なトレイルに仕上げるにはもっともっと時間を掛ける必要がありそう。しかし、完全なトレイルに仕上げるのが本当にいいのかどうか? 自然と人為のバランスをどこに置くのか? 場所や、誰がそのトレイルを使うかによるし、1つの答えがあるわけじゃないだろう。大切なことは頭だけで考えるんじゃなくて、山に入って心と身体で生々しい自然を感じながら考えることだろう。今回もトレイルに近接した木の根元の穴が鳥の住処で、中を覗いたら雛鳥が何の曇りも無いつぶらな瞳でこっちを見てる。胸がキュンとする。そもそもここは迂回した道を作った方がいいんじゃないかと思った。こういうのは現場でないとわからない。(仕事も同じですね)
  9月の第2回整備ではきっとさらに多くの人が参加して、みんなで汗かいて、パーティーで盛り上がって、色んな気づきを共有して、もっともっと西湖を良くして行こうって流れになることを確信しました。 そして、西湖だけじゃなくて、日本のあちこちの美しいトレイルが子々孫々守られることを願う。
ということで、やっぱ締めは日本の魂、富士山だ!
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(またドヤ顔)
終わり!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

チャレンジ富士五湖118K奮闘記

 4月24日にチャレンジ富士五湖118K完走しました。ロードのウルトラは2年前の野辺山100K以来。その野辺山は制限時間24分オーバーでDNF(フィニッシュゲートは通過できたけど・・・)。実はトレランでは100kmオーバーを完走してるけどロードは完走したことがない。その点で今回は新たなチャレンジだ。硬い路面を走るロードのウルトラマラソンは、同じ距離のトレイルランよりも制限時間が短く、別の厳しさがある。いつだって何が起こるかわからないウルトラの世界。走るのに自信なんて要らない。必要なのはゴールを目指して前へ進み続ける強い意志だけだ。

 レースは富士山北麓公園を4時にスタート。前泊には中途半端な時間なので自宅で仮眠してマイカーで深夜に出発した。渋滞もなく順調に進むが途中から雨が降り出す。前の週のかすみがうらマラソンでかなり強い風雨を経験済みなので心構えはできているが、景色のことを思うと晴れて欲しい。
 無事に公園駐車場に到着。開門と同時に荷物預け場所へ向かう。第26回という歴史のあるレースだけに運営はしっかりしている。着替えを済ませ、ドロップバックを預けてスタートゲートへ。幸い雨は止んだ。
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まずは同じレースをワラーチで走る弁慶さんこと大西さんを探す。千人弱のランナーの中を探すのは普通なら難しいのだけど、背が高くて弁慶の格好してるのであっという間に見つかる。道中の無事を祈る。
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午前4時スタート。長い長い旅の始まりだ。暗闇の中、山中湖を目指す。走り出しから脚がやや重い。やはり1週間前のかすみがうらフルマラソンの疲労は完全には抜けてないのだろうか。日の出が近づくにつれ薄明るくなってくる。山中湖に着く頃にはすっかり日が昇ってたのだが、曇り空で朝陽はささず。お天気はイマイチだけど、遅咲きの桜の彩が気持ちを明るくしてくれる。
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富士山は裾野が少し見えるだけで全容は拝めず。それでも湖面に映る富士山の大きな山裾に見惚れながら気持ち良く走ります。(6:30頃)
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山中湖を後に再び北麓公園の方へ戻り返して河口湖へ。湖と湖の間が山越えなのでアップダウンがかなりあります。トレランに比べれば斜度は大したことないのでペースを落としながらも歩かず走ります。
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河口湖到着。寒風に煽られながら河口湖大橋を渡る。(9:00頃)
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モノクロームな湖を眺めながら湖畔の道を進みます。
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いつもの如く、ワラーチ履いてると、たくさんの人が声を掛けてくれるので単調なロードでも多少は気が紛れます。
 次に向かう西湖は河口湖より標高が高いので、その間に割と急な登り坂があります。昨年走った富士山マラソンの難所です。
少し登り始めたところで第3関門(足和田救護所:56.4km)に到着。(10:00頃)  
関門閉鎖時刻まで1時間くらい。まずまずのペースだ。
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 ドロップバックを受け取り、Tシャツを着替え、ジェルフラスコを差し替える。フルでもウルトラでもいつも脚が攣るのが悩みの種。今回は攣り対策として、必ず5km毎にジェル(糖質)と塩熱サプリ(塩分)を補給することにした。これまでのところ脚攣り無し。
 西湖に向けて急坂を登る。傾斜が緩みトンネルを抜けると間も無く西湖に到着。
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観光地化された河口湖よりも静かな西湖が好きだ。西湖畔にあるワラーチの師匠、木村東吉さんの運営するキャンプ場「ノーム」が見えた。
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 せっかくなので受付棟に立ち寄り、東吉さんとアシスタントのかほさんにご挨拶。握手して元気を貰う。ノームを出てしばらくして東吉さんと記念撮影撮ったら良かったと後悔するが、さすがに戻る気にはなれず。西湖を離れ、山間に入ってすぐの第15エイド(西湖野鳥の森公園:63km)で吉田うどんをいただいた。気温が低いので温かい食べ物はありがたい。(11:10頃)
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精進湖へ向かう途中、満開の桜に心が和む。
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そして、あの有名な青木ヶ原の樹海の縁を走ります。味気ないアスファルトなんか放ったらかして深淵な森へ入りたい衝動に駆られる。
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 そして精進湖に到着。他の湖に比べると小さくて池みたいだ。
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唯一 精進湖畔を走ってる時だけ青空が見えた。青空に紅色が映えるこの木はなんていうのだろう。
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 そしてついに五湖最奥の湖、本栖湖へ。
第4関門(本栖湖県営駐車場:75km)到着。(12:50頃)
関門閉鎖時刻まで40分くらい。
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ここで2個目のドロップバックを受け取る。かなり寒いので長袖シャツに着替えて出発。残すところフルマラソン一本分だ。風が吹いて寒い。残念ながらガスって湖は何も見えない。
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気持ちのいい林間を走る。
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それにしても脚が重くペースが上がらない。果たして完走できるのだろうか。2.5km毎の距離標識がものすごく長く感じる。旅ランは終わりだ。写真撮影もせず、ただひたすら走る。キロ7分台のペースを維持したいが、エイドで立ち止まると次に動き出した時に脚が固まってしまい、しばらく走れなくてロスが大きい。なのでエイドは滞在時間を極力短くするかパスする。往路に立ち寄った西湖野鳥の森のエイドで吉田うどんをもう一度食べたかったが諦めて通過。
 第6関門(西湖公民館:98.9km)通過。16:05頃。関門閉鎖時刻まで20分。あと20kmだ。この頃から時々、足指が攣り始める。今回は糖質、塩分、水分の補給をきっちりやったせいか、太腿、脹脛、脛は攣っていない。しかし足指が攣ってもやはり走れない。立ち止まって少しおさまったら走り出す。そんなことを何度か繰り返しながら、とにかく走ることだけの集中する。エイドの看板に”おかゆ”の文字を見つける。むっちゃ食べたい・・・でも我慢して通過。もう止まるわけにはいかない。
 第7関門(河口湖ステラシアター:113.1km)通過。18:10頃。
関門閉鎖時刻までたったの5分。ぎりぎりセーフ。残すところ5km。フィニッシュ制限時刻の19時まで50分。
平地ならなんとかなりそうだが、走りながら聞いたランナーの会話では、3kmが登りで、2kmが下りだそうだ。痛む脚で坂を走って登る。歩いている人との距離が縮まらない。全然走れてないやんか。しょうがないので歩く。完走は無理かなと何度も心が折れそうになる。もう時計は見ない。最後までベストを尽くだけだ。そうこうしている間に長い長い3kmが過ぎ、下りに転ずる。こんな脚で走れるのか? おぉ、走れるぞぉ~! 後でログを見たら8分/km弱なので決して速くはなかったはずだが、その時は5分/kmくらいで疾走しているような感覚だった。
 
フィニッシュゲートのある競技場の灯りが見え、アナウンスの声が聞こえてくる。
両サイドの人がどんどん増え、拍手と声援に心が躍る。 
フィニッシュゲートが見えた!
間に合ったぞぉ〜!
万歳をしながらゴールテープを切った!
 
記録14時間57分10秒。制限時間まで2分50秒。
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あのエイドで、吉田うどんを食べてたら・・・
あのエイドで、おかゆを食べてたら・・・
最後の2kmが下り坂でなかったら・・・
運が良かっとたしか思えない。
だけど諦めないで前へ進んだからこそ運を引き寄せたのだろうと思う。
だから最後まで諦めなかった自分を褒めてあげよう!
 
完走後、前脛下部に酷い痛みを感じる。それが段々酷くなるので翌日整形外科で診てもらった。シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)というやつらしい。ワラーチ履いてから故障とは無縁だったのでショックだ。1か月前と1週間前にフルマラソンを走ったのでやはりオーバーユースだったのだろう。せっかく完走しても故障しては元も子もない。 この点については大いに反省。
 
シンスプリントの痛みがかなり和らぎ、気持ち的にも落ち着いたところで思うのは、やっぱり長い距離を走ることは”旅”を楽しむようなものでありたいということだ。関門時間に追われていては”旅”を楽しむことはできない。根本的には、そのレースを余裕を持って走るための走力が足りていないということなのだから、もっと走力を高めることが必要だろう。他方、レースでなくても自分で旅ランを企画して走ったっていいのだ。
 
あくまで楽しむために必要な身の丈にあった走力を少しづつ磨きながら、もっと長く、そして永く走り続けたい。